ウィーンのワグナー:『ヴァルキューレ』

2016年I月13日ウィーン国立歌劇場 前回の『ラインの黄金』の続きです。 物語はラインの川底の眠りから目覚めたニーベルングの指環を巡る争いの経緯は神々族の長、ヴォータンの動きを中心に進められます。 これは『ラインの黄金』とは一変して素晴らしい上演…

ウィーンのワグナー:『ラインの黄金Das Rheingold』

ワグナー:『ラインの黄金Das Rheingold』2016年I月10日ウィーン国立歌劇場 今、YouTube で見ることができるワグナーの『ニーベルングの指環』全曲です。ということなので、ちょっとレヴューを書いてみようと思いました。お付き合いください。 長い『ニーベル…

モーツァルト : 歌劇「フィガロの結婚」全4幕

1980年 パリ・オペラ座 ジョルジョ・ストレーレル (演出)ゲオルク・ショルティ(指揮)/パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団 ホセ・ファン・ダム(フィガロ) /ルチア・ポップ(スザンナ) /グンドゥラ・ヤノヴィッツ(伯爵夫人) /ガブリエル・パスキエ(アル…

R.シュトラウス:『ばらの騎士』全曲

2007年のドレスデン歌劇場の来日公演を改めて聴きました。you tubeに上がっていたので、著作権の方がどうなっているのかわからないけど、多分、NHKに権利があるんでしょうが、まあ、手軽に観れたので、楽しませてもらいました。 いい上演ですね、やっぱり。…

モーツァルトの魔笛

そもそも出掛けない質なので、you tubeはありがたい。今日は1991年のメトロポリタンの魔笛を楽しみました。 演奏スタイルにしても、演出にしても、この頃オーソドックスなものを見せてくれるのはニューヨークですよ。 レヴァインの指揮は手堅いし、キャスリ…

エサ・ペッカ・サロネンのマーラー3番

サロネンとフィルハーマニアのマーラー3番はアバドと並んで、私の好きな演奏。 マーラーが創る無数のモチーフには故郷の景色を見たときの懐かしさと心の安らぎを感じる。 ひとつひとつのモチーフの描く牧歌的イメージを見せてくれないと、満足できない。 サ…

ショルティのマーラー3番 その2

確か、アバドはミラノ辺りの出身ではなかったでしょうか。 ミラノを州都とするロンバルディアはもちろんイタリアですが、アルプスの裾野でもあり、オーストリア・ハプスブルクの支配下にあった時代もありました。ミラノ出身のアバドがアルプスの牧歌的なイメ…

ドゥダメルのマーラー3番を聴いた

ドゥダメルがアメリカで人気があるのはわかる気がした。 アメリカのクラシック・ファンはヨーロッパのスタンダードが好みのような気がする。 それに対してヨーロッパは伝統を壊すことに興味を持つ。 今や伝統的なクラシックの演奏スタイルを好む人はアメリカ…

ショルティのマーラー3番

昨日はアバドのマーラー3番、今日はショルティのマーラー3番。 あまりのマーラー続きで、今日は聴きたくないなぁ、と思いつつ、結局、聴いてしまいました。 本当のことを言うと、マーラー3番は完全に掴みきれていないんです。 でも、やっぱり魅力的なんです…

カラヤンとショルティ

よくワグナーをCDやDVDを聴きながら、歌を口ずさむことがあるんですが、たとえば、ワルキューレ第一幕終盤の「冬の嵐」なんかですが、どうしても音楽についていけないところがあるんです。 特に、速いパッセージなどは難しいんです。 ところが、ある時、いつ…

やっとのことで、ショルティのワルキューレ

デッカによるワグナーの『ニーベルングの指環』全曲録音は事件でした。 それまでもワルターやフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュの指揮での計画はあったそうですけど、実現には至らなかったらしい。 時代はステレオ録音の時代になりました。デッカが…

テンシュテットのマーラー8番、です

1991年1月27日の演奏。 ロンドン・フィルだから、テンシュテットとは名コンビですね。 独唱はハンス・ゾーティンほか8人、合掌はロンドン・フィル合唱団ほか。 なにせ、千人で演奏しなければならないんですから、全部書きあげるのはご勘弁ください。 楽譜の…

ワルキューレ第一幕後編

さて、ジークフリート誕生秘話の話です。 男がひとり疲れ切った様子である家に辿り着きます。 そこにその家の奥さんが現れて、なぜか男を介抱する。 「水をください」という男の求める通りに奥さんが水を取りに行き、与える。 この間結構長い間、歌がなく、…

テンシュテットの6番

テンシュテットという人 東ドイツの人、なんていうと古い、みたいですけど、まだまだドイツでは、アクチュアルな話のようです。 1971年に西側に来てから、ドイツの歌劇場で音楽監督をしてたらしい。 1974年にボストンで注目。 以後は、ドイツ系の、例えば、…

今日は、ハイティンクの3番です

とりあえず、データから。 マーラー作曲 交響曲第3番 コンセルトヘボウ、キャロリン・ワトキンソン(アルト) 1983年Live アバドの演奏と比較すると、対象的にハイティンクのコントロール下の名演。ハイティンクのマーラーを聴いていると、ときおり違和感のあ…

やっぱりマーラー、今度は巨人。アバドです。

アバドのマーラーはいいですね。 今回の交響曲第一番「巨人」の演奏もルツェルン音楽祭でのLiveです。 2009年の演奏です。 アバドは2000年に胃癌にかかって復活したわけですが、こんな大事件を知っていると、演奏とも絡めたくなります。 本当は必要ないこと…

ワルキューレ第一幕中編

ニーベルングの指環はラインの黄金から造られた指環をめぐる神々族と小人族{ニーベルング族)と巨人族の三つ巴の争いの物語です。 ライン川の底に眠るラインの黄金が小人族のアルベリヒに奪われるところから、物語が動き出します。 それをワルハラ城の建設…

今日はワルキューレ第一幕前編、気分を変えてワグナー

いつもマーラーを聴いているわけではありません。 先日、車の中でイ・ムジチの四季を聴いて、改めてその良さを感じましたが、これはまた別の機会に。 ワグナーも聴きました。例のショルティのDecca版。1960年の録音で、ジークムントはジェームス・キング、ジ…

アバドのマーラー、今日は3番

マーラー:交響曲第3番ニ短調アンナ・ラーション(メゾ・ソプラノ)/アルノルト・シェーンベルク合唱団/テルツ少年合唱団クラウディオ・アバド/ルツェルン祝祭管弦楽団 2007年8月19日(ライヴ)/ルツェルン、カルチャー&コンヴェンション・センター アバド…

いよいよ老舗、バーンスタインの3番です。

オーケストラはウィーン・フィルです。Liveです。 この曲は世界最長の交響曲ということで、ギネスに載った、という話を聞きました。 本当かどうかはさておき、確かに長い交響曲です。 それに加えてバーンスタインの演奏は緩徐部分がともかく遅い。 などと思…

また、マーラー、今度は6番の交響曲

演奏はクラウディオ・アバド、ルツェルン音楽祭管弦楽団、2006年夏です。 6番はマーラーの交響曲の中ではあまり人気がないらしい。しかし、私は今現在、マーラーの中でこれが1番好きだ。 6番というとはじめからオーケストラが吠えまくるというイメージだが、…

カルロス・クライバーの「大地の歌」を聴く

クレンペラーの「大地の歌」の話はしました。第一印象、こうも違うものか、という今更のような驚き。 クレンペラーのときソロのクリスタ・ルートヴィヒが印象的、と言ったが、今回もメゾはクリスタ・ルートヴィヒ。 そういえば、テナーはヴァルデマール・ク…

カラヤンのマーラー

カラヤンとマーラーがどうにもイメージできない。5番がある、9番がある、なるほどね、なんて勝手に言ってます。でも、6番もあるんだよね。他は、今のところ、知りません。5番、6番は追々。 今日は9番を聴きました。 やっぱ、しっくり来ない。でも、そればか…

マーラーの交響曲第9番を聴きました

曰く付きのバーンスタインとベルリンpoの1979年のLive。 実は聴く前、その曰くを知りませんでした。そういえば、バーンスタインとベルリンpoは珍しいな、程度で。 印象的には、ベルリンpoのノリが悪いな、バーンスタインがかなり頑張って引っ張ろうとしてい…

またマーラーの千人の交響曲

1979年のLiveとあるから小沢征爾は44才くらい。 パリのサン・ドニ大聖堂でのパリ管との演奏。 ボストンの音楽監督になって5年目、ヨーロッパでの活動も盛んだったころ。 さて、こんな分け方は良くないと思うけど、器楽的かオペラ的に分けると、小沢の8番はオ…

マーラーの大地の歌を聴きました

マーラーが千人の交響曲の後に書いた交響曲「大地の歌」、でも交響曲というよりも「不思議な角笛」のようなオーケストラ付きの六曲の歌曲集。 指揮はクレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団、メゾはクリスタ・ルートヴィヒ、テナーはフリッツ・ヴンダーリヒ…

ショルティの1000人、聴きました

ハイティンクの演奏を聴いて、1000人はミサ曲かオラトリオ、なんて感じたけど、ショルティを聴くと、これはオペラだ、とまで思ってしまった。 思い込み過ぎかなぁ…、でも、これからはその見方からマーラーの8番を聴こうと思います。 第一部、グロリアと讃え…

今日からは一日に一曲聴こう、クラシック!

マーラーの交響曲第8番を聴きました。「千人の交響曲」と言われてる奴。千人、とは多分「たくさん」という意味だと思います。 演奏しているのは指揮がハイティンク、オーケストラはコンセルトヘボウ(オランダ語で「コンサートホール」のことだと思います)…

南禅寺 ぶらり散歩

さて、今回は南禅寺です。 メジャーなお寺ですね。 地下鉄東西線 蹴上駅が南禅寺の最寄駅です。 南禅寺方面への指示に従って地下を出ると、目の前は右手方向へ下る仁王門通り。 下る方へ歩きます。 すると、まもなく右手側に蹴上インクラインの下をくぐる小…

化野念仏寺 ぶらり

祇王寺を後にして、この日の最後の目的地は化野念仏寺です。 立ち並ぶおよそ八千体の石仏や石塔を見ていると、なにか重いものを感じます。 「化野」と書いて「あだしの」と読むんですね。 「あだし」とは「はかない」とか、「むなしい」という意味だそうです…