テンシュテットの6番
テンシュテットという人
東ドイツの人、なんていうと古い、みたいですけど、まだまだドイツでは、アクチュアルな話のようです。
1971年に西側に来てから、ドイツの歌劇場で音楽監督をしてたらしい。
1974年にボストンで注目。
以後は、ドイツ系の、例えば、ベルリンとかウィーンとか、よりも英語圏で人気があったみたい。
1番馬があったのは、ロンドンフィル。
長く音楽監督をやってました。
今日聴いたのはニューヨークフィルでの演奏。
1986年の演奏ですね。
「フルトヴェングラーみたい」なんて評判があったらしいけど、指揮ぶりを見ると、「うーん、そうかなぁ」って感じ。
結構、不器用な指揮ぶりで、右手での拍子はフルトヴェングラーに比べるとしっかりしていますが、素人目には、分かりにくいところがあったり、左手の表情の付け方が、上げたり下げたり、だけみたいな感じで単純。
だけど、出してもらいたい音楽を余すところなく伝えることでは、たぶん、パーフェクトです。
なぜか、とても不思議です。
カルロス・クライバーみたいなのもあれば、テンシュテットやアバドみたいなのもあって、指揮者のタイプは多種多様。
さて、今日聴いた交響曲第6番は、最高でした。
細かい指示に従わせる、のではなく、演奏者の意思が入らないと成り立たない指揮ぶりは、6番みたいに千変万化する強弱のあるモチーフの競演にはピッタリです。
音楽の緊張感もお仕着せでない自発的なもので、感動的でした。
この演奏は今回で2回目なんですけど、カウベルが出てきたりと、オーストリアン・アルプスのヴィーゼの光景がちっともそれらしくない感じがするのは私だけ?
テンシュテットは北ドイツの生まれ、なんですね。
でも、そこを除くと、いや、別に除くほどの違和感ではないんですけど、テンシュテットは、確かに、マーラーの名人のひとりですね。