ショルティのマーラー3番 その2
確か、アバドはミラノ辺りの出身ではなかったでしょうか。
ミラノを州都とするロンバルディアはもちろんイタリアですが、アルプスの裾野でもあり、オーストリア・ハプスブルクの支配下にあった時代もありました。ミラノ出身のアバドがアルプスの牧歌的なイメージモチーフを上手に歌わせることに納得。
一方、チェコとブルガリアの違いはあってもオーストリア・ハプスブルクと因縁浅からぬことでは小説家のフランツ・カフカの存在。個人的にカフカを連想させるショルティ。
これはやぶ睨みですが、ショルティはその後ドイツ系よりイギリス、アメリカへ活動の場を進めていきました。カフカも注目され始めたのはドイツ語圏よりも、カミュに代表されるフランス系でした。
地域やその歴史が個人に及ぼす影響は別に話さないといけませんが、2人の演奏の違いを説明するヒントくらいにはなるかと思います。
やっぱりショルティは器楽的な音楽構成が目立つように思います。ちゃんと歌わせるところはしっかり歌わせているんですがね、
ただ、ショルティの演奏そのものは立派です。好き嫌いは言えても、演奏の良し悪しを言えるようなものではありません。