ワルキューレ第一幕後編

さて、ジークフリート誕生秘話の話です。

男がひとり疲れ切った様子である家に辿り着きます。

そこにその家の奥さんが現れて、なぜか男を介抱する。

「水をください」という男の求める通りに奥さんが水を取りに行き、与える。

この間結構長い間、歌がなく、オーケストラだけ。

水を与えるとき奥さんと男の手か触れ合って、そう、このとき2人は恋に落ちます。早い!

男は襲われて武器を失い、追手から逃げてきたらしい。

話をするうちに、男は自分は不幸をもたらす男、フリートムント(穏やかな男)ではなく、ヴェーヴァルト(不幸をもたらす者)である、だから、すぐに出ていくという。

女は大丈夫、ここは不幸の只中にある家、これ以上不幸にはならないから、ここにいなさいという。

そこにこの家の主人、フンディングが帰ってくる。奥さんは事の経緯を説明する。そりゃそうだ。旦那のいない間に男がいたんだもの。

でも、フンディング、2人が瓜二つ、とても似ていることに気づいて、首を傾げる。

フンディングが自己紹介。

あなたはなぜ武器を持っていないの?

奥さんの質問に男は答えます。

住まいを襲われ、武器も失ったままようやくのこと逃げてきた。

その襲撃に徴集され、獲物を逃して戻ってきたが、我が家にその獲物がいようとは、フンディングが言う。

そこに奥さんが間に入る。

武器すら持っていない者を討ち取るなんて。

明日の朝まで待つ、その間に武器をどうにかしろ、明日の朝、お前を打つ。

フンディングが寝床へ向かう。奥さんもその後から。

男がひとり残る。

誇り高いヴェルズングの一員の自分が敵を前にして武器がない、と嘆く。

そこに奥さん、夫は睡眠薬で眠らせました、ご安心ください、と言い、素性を詳しく話してと求める。

人間族のヴェルズング一族に双子として生まれたが、ヴェルズングを亡き者とする一群に襲われ、一族とも兄弟ともチリジリに。

彷徨ううちに狼に助けられたが、そこも襲われ、人間の村に逃れたが、そこでは孤立して、そこも追われてしまった。

それが本当なら、もしかすると…、と奥さんも身の上を話す。

私はフンディングに拐われるように連れられ一族の前てここで婚礼の儀に立たされた。そのときひとりの老人が現れ、去り際に庭のトネリコに木の幹に剣を突き刺した。

真の英雄のみがこの剣、ノートゥングを幹から抜くことができる。

あなたは私と瓜二つです。あなたこそが真の英雄、この剣を引き抜いて、私をここから連れ出してくれる人、あなたの名前は、ジークムント、そして、私はジークリンデ。

ジークムントと名付けられた男がトネリコの幹に刺さった剣を見事に抜いた。

自分が今こそ剣と、妹であるジークリンデを手に入れた。

あなたこそあなたに相応しい剣と私を自分のものかした。

ヴェルズングのために、

と言う言葉と共にふたりは家を出て、森の中に逃げていく。